2010年12月28日火曜日

人気の毎月分配型投資信託、「複利効果」がない分運用効率は低い点に注意

毎月現金を受け取れる「毎月分配型」の投資信託が人気ですが、分配金を出すのに運用資産の取り崩しが必要なため、運用益を元の資産に上乗せして資産を効率よく増やす「複利効果」が見込めないことに注意が必要です。

野村アセットの「米国ハイ・イールド債券投信(レアル建て)」の場合、残高を口数で割った基準価格(投信の時価)を24日時点で見ると、運用方法は全く同じでも毎月分配型は1万2358円と、分配金をほとんど払わないタイプ(1万7489円)より約5100円低くなります。

設定以来、約4200円の分配金が支払われていますが、毎月分配型は運用の機会損失が約900円生じたことになります。

野村総合研究所によると、11月末時点で国内で販売されている毎月分配型投信683本のうち、基準価格が当初設定の1万円を下回るものが76%(518本)にのぼるそうです。

毎月の分配金に目を奪われ、基準価格の傷みに気づきにくい点に注意が必要です。